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顔面神経麻痺の
後遺症治療

症状が固定した顔面神経麻痺の症状でお悩みの患者さまへ

大学病院では顔面神経麻痺の機能再建、整容再建に従事してきました。
形成外科のみならず美容外科手術に精通する我々がお顔のバランスを取り戻すお手伝いをいたします。

顔面神経麻痺の原因

ベル麻痺、ハント症候群などの急性顔面神経麻痺後の後遺症や脳腫瘍術後に生じた顔面神経麻痺、脳卒中の後遺症や外傷後の顔面神経麻痺、耳下腺がんや皮膚がんの術後に生じた顔面神経麻痺などがあります。

顔面神経麻痺の治療法

患者さまそれぞれの症状に合わせて最適な治療をご提案いたします。

顔の左右差を軽減しバランスを取る手術

バランスを取る手術の中には静的再建術があります。顔面の左右対称を目指す手術です。
院長は美容外科手術にも精通しており顔面神経麻痺後の後遺症手術のなかで一番得意とする手術です。整容と機能双方を重視した治療をご提案いたします。

下がってしまった眉毛の
位置の調整

眉毛挙上術

顔面神経麻痺で下がってしまった眉毛の直上の皮膚を切開し眉毛を挙げる手術です。手術の特性上、眉毛の上が窪む欠点がございましたが、当院では固定方法を工夫し窪みの少ない形成術を行っています。

内視鏡下による眉毛挙上術

眉毛の動きの残存している患者さまにも有効な方法と考えます。頭髪内を切開して、眉毛を挙上する手術です。
内視鏡を用いて皮膚の中から組織を持ち上げて眉毛を挙上します。当院は内視鏡手術に必要な特殊な手術器械にて手術を行っています。

まぶたの治療

上眼瞼形成術

上まぶたの皮膚切除や挙筋前転術などでまぶた自体を挙げる方法です。まぶたの外側の皮膚が視界を妨げている場合は、こめかみの生え際を切開する方法を行うこともあります。上眼瞼の形態と機能の改善を図ります。

下眼瞼形成術

眼瞼外反症手術を行います。当院では以前に日本形成外科学会総会で発表したdynamic canthopexyという外眼角靭帯を移動することで術後の後戻りを極力予防する方法や太ももの筋膜(大腿筋膜)を採取して、これを前述の方法と組み合わせた方法で改善を図ります。

口角の下がり

鼻唇溝部の皮膚を切除したり、筋膜を使用した口角挙上術を行います。筋膜は下方にも牽引することでより自然な口角の形態が形成できます。筋肉を切断してバランスをとることもあります。

頬の下がり

フェイスリフト手術を行うことで改善が期待できます。口角の下がりの改善も期待できます。

顔の動きを取り戻す手術

顔の動きを取り戻す手術は、動的再建術といいます。背中の筋肉を移植したり、側頭筋移行術による閉瞼機能手術や笑いの再建などがあります。
現在、当院では行っておりませんので、診察のうえ、適応と診断した場合は専門施設にご紹介いたします。

病的共同運動を和らげる治療

ベル麻痺、ハント症候群による急性顔面神経麻痺後の後遺症として、「顔のこわばり」、「けいれん」や「意に反して目や口が動く」などの顔の異常な動き(病的共同運動)が生じることがあります。
リハビリテーションで改善が期待できることも多いですが残存してしまう方もあります。

治療として筋肉の動きを止めるボトックス注射や筋肉を切除して改善を図る治療方法があります。
ボトックス 注射の持続効果は3~4ヶ月程度ですので、治療は繰り返して行う必要があります。またリハビリテーションのご指導も同時に行っております。

経過と注意点

顔面神経麻痺の再建手術の抜糸は術後1週間です。術後の腫れは1ヶ月程度で改善します。おおよその完成は半年です。
顔面神経麻痺の再建術は、複数回にわたることがあります。