数mm〜数cm程度の皮膚の盛り上がりを「いぼ」「できもの」と言いますが、その種類は非常に多岐にわたります。実際に「いぼ」と思っていたら「ほくろ」や「紛瘤」だったというケースも少なくありません。また、いぼの中には、ウィルスが原因でできるタイプもあります。
治療法はいぼ・できものの種類によって異なります。また、中には悪性腫瘍である可能性もあるため、医師による正確な診断が重要になります。
脂漏性角化症の症状
先述したように脂漏性角化症は、皮膚が老化したことでできる良性腫瘍です。
茶色〜黒色をしており、皮膚が盛り上がったような見た目をしています。大きさは数mm程度〜3cm程度で、5cmまで大きくなるものもあります。頭や顔、首、手足など、日焼けしやすい部位に発生しやすいです。
40代以降になるとできやすくなり、80代になると多くの方に見られます。日焼けをよくする方・レジャーが好きな方は、20代からできることもあります。
悪性ではないので痛みやかゆみを伴うことはほとんどなく、そのままにしていても問題ありません。しかし、自然消滅することもありません。
顔などにできて「見た目が気になる」と悩んだのをきっかけに、切除を考える方も多くいらっしゃいます。
脂漏性角化症の原因
脂漏性角化症になる原因は、現代でもはっきりと解明されていません。加齢とともに出現しやすくなることは判明されていますが、患者さまによってサイズや数、発症した部位などが違うため、遺伝が関与しているのではないかとも考えられています。また、日光に当たりやすい部位に多く見られることから、紫外線が要因ともされています。
皮膚は、角質層・表皮層・真皮層の3つの層から成ります。紫外線や摩擦などの刺激を受けると皮膚は表皮層からメラニン色素を生成し、皮膚を紫外線から保護しようと働きます。
通常は皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)によって、古い角質と共にメラニン色素も排出されます。しかし、加齢などによってターンオーバーが乱れると、メラニン色素を排出するスピードが溜まるスピードに追い付かなくなるため、ますますメラニン色素が皮膚に蓄積されます。
メラニン色素が皮膚に蓄積すると、シミ(老人性色素斑)などができます。脂漏性角化症は、皮膚が隆起するほどにまでメラニン色素が溜まった状態でもあります。
遺伝的要因による発症を防ぐのは難しいですが、紫外線の場合はある程度予防できます。若い頃から日焼け止めを塗ることで、脂漏性角化症を防ぐようにしましょう。
「いぼ」との違い
皮膚科で言われる「いぼ」とは、主にウィルスによってできたものです。
代表的なものでは、手や足にできる「尋常性疣贅」、子どもに多い「伝染性軟属腫(水いぼ)」などが挙げられます。
見た目が似ているいぼでも、発症原因が異なることもあり、それに適した治療法が必要になります。特に、ウィルス性の場合は悪化のリスクが高いので、症状に気付いた段階から受診することが重要になります。まずは早めに、ご相談ください。
脂漏性角化症の治療
脂漏性角化症は良性腫瘍ですので、がん化するリスクは基本的にありません。そのため、必ず治療しなければならないということもありません。
しかし「いぼが服などに擦れて痛い」「顔など目立つ部位にできた」などのお悩みがある場合は、除去をお勧めします。
また、脂漏性角化症の場合、「いぼに効く」とされている塗り薬や飲み薬を使ってもほとんど改善できません。除去を希望される際は市販薬に頼る前に、当院までご相談ください。
当院の治療法
電気メス
当院は電気メスでの切除に対応している、数少ないクリニックです。イボの大きさに応じて縫合する必要はありますが、イボが根こそぎ除去できるため、再発するリスクがほとんどなくなります。
また、縫合したきずも時間が経てば目立たなくなります。きずの跡が気になる場合は、当院では形成外科専門医として、最適な治療法をご提案します。手術後のケアもしっかりと行っていますので、除去を希望される際は、安心してご相談ください。
治療費用(3割負担の方)
露出部 | |
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露出部 2cm未満 |
5,000円~6,000円 程度 |
露出部 2cm~4cm |
11,000円~12,000円 程度 |
露出部 4cm以上 |
13,000円~14,000円 程度 |
露出部以外 | |
露出部以外 3㎝未満 |
4,000円~5,000円 |
露出部以外 3cm~6cm |
10,000円~11,000円 程度 |
露出部以外 6cm~12cm |
12,000円~14,000円 程度 |
露出部以外 12cm以上 |
25,000円程度 |
・ 上記手術費用以外に、初診料、再診料、処方料、薬剤料などが加算されます。
・ 手術は保険診療となります。上記は3割負担時の費用です。1割負担の方は上記の3分の1を目安にしてください。
・ 露出部とは、半袖半ズボンで隠れない部位を指します。頭、顔、首、肘から手、膝から足、足底です。
・ 診療報酬の改定により金額が変更となることがあります。