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ほくろ・色素性母斑

ほくろ

ほくろは通常悪性化することはあまりありませんが、次第に大きくなる、色の濃淡がある、形状が左右対称でない、境界が不明瞭、きずになって治らない、などは悪性の可能性がありますので早めに受診ください。

色素性母斑

母斑細胞が表皮と真皮の境目もしくは真皮の中に存在してメラニン色素を作り出すために、褐色または黒色に見えます。時には毛が生えたり、盛り上がったりします。

ほくろの治療

切除縫合術

局所麻酔下にメスでほくろを切除する方法です。皮膚のしわに沿って、きれいに縫い合わせることできずが目立たなくなります。きずを開放したまま自然治癒するのでなく、縫合閉鎖することで瘢痕組織を減らす利点があります。
CO2レーザーなどでほくろを削る方法も簡便で良い方法ですが、創傷治癒の観点からきずをきれいに治すということにおいては”切って縫う”方法も良い方法であると考えます。削る治療よりも再発が少ないのも特徴です。
また、切除縫合術のなかに巾着縫合という特殊な縫合術があります。切除縫合術できずが長くなる場合、ほくろを切除した後に巾着のようにきずをよせることで切開線を短くする方法です。

デルマパンチによる切除方法

局所麻酔下にデルマパンチという円形の型抜きでほくろをくりぬく方法です。1~2mmのほくろであれば、そのまま自然治癒で上皮化(新しい皮膚が伸びて穴を塞ぐ)してもきずがきれいに治癒することも多いです。
創傷治癒の立場から言うと二次治癒であり、瘢痕が目立つケースもありますので、当院では細い糸で創部を縫いよせることで一次治癒とすることで、なるべくきずが目立たない工夫を行っています。

高周波メスによる
ほくろの焼灼術

比較的浅い真皮に留まるほくろに対してサージトロンという高周波メスで焼灼する方法です。
大きなほくろで、切除縫合術の場合きずが長くなる、メスを入れたくないご希望の強い患者さまに良い適応です。
深く焼灼するときずが目立つ瘢痕となるので、注意が必要です。 再発してくる可能性を十分に理解して治療を受けていただく必要があります。Qスイッチレーザーと組み合わせて治療を行うこともあります。

ほくろが大きい場合

大きなほくろで創閉鎖が困難、二次治癒にしてしまうと瘢痕が目立つ可能性が高い場合は分割切除と言ってほくろを何回かに分けて切除していく方法があります。
分割切除も難しい場合は、ほくろに隣接する健常皮膚を追加切除して移動する局所皮弁術や別の場所から皮膚を採取して、ほくろ切除部に移植する皮膚移植術を行う場合があります。

術後の経過、注意点

切除縫合術では手術から1週間程度で抜糸を行います。
抜糸後は3ヶ月を目安にテーピング療法を行い、きずを目立たなくする治療を行います。
テーピングの上から日焼け止めを塗布することで手術の侵襲による炎症性色素沈着を予防していきます。
きずは場所にもよりますが術後赤く、硬くなり半年をめどに周囲と馴染んできます。
肥厚性瘢痕になった場合は、ステロイド注射やステロイド剤の貼付など肥厚性瘢痕の治療に準じます。
高周波メスによる焼灼術では、被覆材をおよそ1週間貼付したままにします。皮膚が出来る(上皮化)のをみながらテーピング療法と日焼け止めによる遮光を行っていきます。 どの治療でも真皮までの深い層へ操作が及べば傷跡は生じます。
なるべく目立たないように治療を行います。