TOPへ

脂肪腫

脂肪腫とは、皮下の脂肪細胞が増えることで生じる良性腫瘍です。
粉瘤などと並んで形成外科でよく治療を行う皮膚皮下腫瘍病の一つです。
体のさまざまな部位に生じ、皮下のやわらかいしこり、できものとして触れます。良性腫瘍ですので、徐々に増大していくことが多いです。

脂肪腫ができる原因

脂肪腫は、成熟な脂肪細胞が増殖することが原因です。
しかし、脂肪細胞が増殖する原因やそのメカニズムについては、未だにはっきりと解明されていません。

脂肪腫の症状

皮膚の下にあるやわらかいしこりとして触れます。全身どこにでも発生しますが、背中に比較的よくみられます。良性腫瘍ですので、徐々に増殖することが多いです。痛みを伴うことは少ないですが、大きくなると身体を動かすことで邪魔に思えたり、神経が圧迫されることがあります。また、血管脂肪腫は痛みを伴います。

脂肪腫を治すには

脂肪腫は手術で摘出します。小さい腫瘍は局所麻酔で切除します。大きいものは全身麻酔を必要とすることがあります。筋肉など深い場所に発生した場合は、大学病院へご紹介することがあります。稀ですが、脂肪腫と似た脂肪肉腫が発生する場合があります。その場合も大学病院へご紹介します。

手術の流れ

1診察・検査・診断

診察と問診、視診、触診、エコー検査などを行い、しこりをチェックします。
また患者さまによっては、術前に連携医療施設でCTやMRIを受けていただく可能性もあります。
治療の説明を行ってご納得いただいた後に、手術を受けていただきます。

2局所麻酔・手術

まずは局所麻酔を行い、麻酔が効いた後に皮膚を切開します。切開は、最小限に抑えながら、皮下組織より腫瘍を摘出します。摘出した後は縫合をしますが、摘出後の空洞に血液などが溜まらないよう、ドレーン(細いチューブ)を挿入することもあります。ドレーンは、術後から数日経過した後に抜き取ります。

3抜糸・術後の経過観察

抜糸と観察確認を行うため、翌日再受診していただきます。
術後の通院頻度は、術前・術後の状態によって変わります。術後から約1~2週間経ちましたら、抜糸します。
また、手術を受けた当日は出血が起こりやすいので、入浴や飲酒、運動を避けてください。
翌日になりましたら、シャワーを浴びても問題ありません。

4病理検査の結果説明

摘出した腫瘍は病理検査を行い、臨床的所見とあわせて最終診断をします。
術後から約1ヶ月経ちましたら再度受診していただき、病理結果についての説明を受けていただきます。
またその時には、術後の傷跡についてもチェックします。

治療費用(3割負担の方)

露出部
 露出部
2cm未満
5,000円~6,000円
程度
 露出部
2cm~4cm
11,000円~12,000円
程度
 露出部
4cm以上
13,000円~14,000円
程度
露出部以外
 露出部以外
3㎝未満

4,000円~5,000円
程度

 露出部以外
3cm~6cm
10,000円~11,000円
程度
 露出部以外
6cm~12cm
12,000円~14,000円
程度
 露出部以外
12cm以上
25,000円程度

・ 上記手術費用以外に、初診料、再診料、処方料、薬剤料などが加算されます。
・ 手術は保険診療となります。上記は3割負担時の費用です。1割負担の方は上記の3分の1を目安にしてください。
露出部とは、半袖半ズボンで隠れない部位を指します。頭、顔、首、肘から手、膝から足、足底です。

・ 診療報酬の改定により金額が変更となることがあります。